絵本で楽しむ子育て

~「ことば×体験」で、子どもたちの心に「ことばのたね」を育てよう~                          by michi

つみきの世界に合わせて、言葉の世界も広がるよ!【つみきでとんとん(絵本)】

今日、ことばと体験をつなぐヒントとして、紹介する絵本は、

「つみきでとんとん」

竹下 文子・文  鈴木 まもる・絵  金の星社

 

 小さな積み木のピースから、どんどん世界が広がり、積み木が動き出していく。この様子は、読んでいて圧巻です。読んでいると、自分たちが小人になって、『つみきのくに』に入り込んでしまったような感覚になります。

 積み木の1ピースは何も意味を持ちません。だからこそ、子どもたちはそこから意味を見出し、自由に想像を広げていくことができます。この絵本は、そんな想像を膨らませている子どもの心の声を、豊かに表現してくれています。

 息子も幼い頃、この絵本が大好きでした。この積み木の世界を再現したら絶対に喜ぶだろうな。そう思ったわたしは、この絵本にそっくりな積み木を購入し、絵本と同じことばを声に出しながら、息子と一緒に様子を再現して遊びました。息子は特に、怪獣が積み木の壁をこわすシーンが大好きで、絵本の言葉『これでだいじょうぶ と おもったら・・・』『うわあ かべが くずれたよ』を使って何度も何度も楽しみました。こわす瞬間の息子のわくわくした表情が今でもよみがえってきます。

 さらに、『とん とん ととん』『○○かな? まだまだ』とやっているうちにどんどん空想も広がっていき、子ども自身がストーリーを作り始めます。自分の考えを積み木で表現し、そこに言葉が生まれる。それを聞くのもまた楽しいです。お子さんの言葉が少ない場合は、お家の人が、子どもの作り出す世界に合わせて、絵本のように楽しくことばをかけてあげるとよいですね。様子を説明するような難しい言葉でなく、子どもの作る世界に乗っかったシンプルで短い言葉掛けがよいと思います。そうすることで、言葉×体験がどんどん進み、「ことばのたね」が育まれていきます。幼い子どもにとって、積み木は、自分の考えを表現しやすくする魔法のような玩具だと感じます。

 積み木遊びと絵本をつないだ後で、もう一度この絵本を読んだ時の子どもたちの想像力は、さらに豊かに広がっていくでしょう。積み木の世界と言葉の世界の広がりを、是非楽しんでみてくださいね。

※「ことばと体験をつなぐと何かいいことがあるの?」「ことばのたねって何?」と思われた方は、是非、本ブログ記事4/24~27も合わせて読んでいただけたらうれしいです。