絵本で楽しむ子育て

~「ことば×体験」で、子どもたちの心に「ことばのたね」を育てよう~                          by michi

子ども時代の「友達との自由な遊び」は何より大切!

 友達との遊びは、大人の目もなく、子どもは自由に過ごすことができますよね。学校の中では放課がその時間に当たります。「最高の時間じゃん!」と思いきや、今の時代、その自由というのが、かえって居心地が悪い子も少なくないのです。「友達をどう誘ったらいいのか分からない」「放課より、教室の席に座っている時間の方が安心できる」「先生がいて、言われたとおりにやっている方が楽」そんな声も聞こえてきます。思春期に入ると、人の顔色を精一杯うかがいながら生活する現代の子どもたちの繊細さが際立ってきます。「友達を怒らせないように」「友達に気に入られるように」「そして、人と自分を比べすぎてしまうこと」・・・。

 人は子ども時代の友達との自由な遊び体験の積み重ねの中で、それらに対応する術を自然に身に付けていくのかもしれません。

 友達との自由な遊びの中には、マニュアルがありません。何かを教えてもらえるわけでもなければ、決まった返事が返ってくるわけでもありません。常に、自分の自主的な判断が求められる場であり、コミュニケーションの実践の場です。

 当然、友達の姿は、先生や他の大人と一緒にいるときとは全く違う場合も多いです。相手への声掛けや自分の意見の伝え方も、相手によって変えるなど工夫していかなければいけません。理不尽なことも頻繁に起こります。それにどう対応していくか。ずっと「自分発信の行動」が試されます(この「自分発信の行動」については、またどこかで書きたいと思っています)。自由な遊びの中で、互いに何度も付き合っていくうちに、「あの子はこういう子だから、こうやってつきあうとうまくいく」「こういうときはこうしたらうまくいく」ということを体得していく。子どもたちの互いに理解し合う力は本当にすごいと思います。そして、寛容です。幼い時は、これを無意識に行っていきます。

 子ども時代のよさは、本当に困ったら、身近な大人に助けてもらえること。失敗しても何度でもすぐにやり直せること。そんな安心感のある子ども時代に、「友達との自由な遊び」を繰り返しておくことは、子どもたちにとって、その後の社会を生きやすくする大きな宝となるでしょう。マニュアルのない中での体験を通してしか学べない、そして決して避けて通ることができない(生涯の中のどこかで体験することになる)貴重な社会体験だと思います。

 昔と比べて、今は、年齢の異なる多くの子と、長時間自由に遊ぶことが本当に難しくなってきています。どの子にも多くの予定があり、遊ぶための時間調整をしなければいけないことも多いでしょう。だからこそ、現代の子どもたちにとって「遊べる時に遊ぶこと」は、何より大切!そんなふうに思うのです。

 

※関連記事「子どもが宿題をやりたがらない!それはもしかして?!~小学生の宿題っていつやるの?~」も読んでもらえたら嬉しいです。

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