今日、ことばと体験をつなぐヒントとして紹介する絵本は、
「しろくまちゃんのほっとけーき」
わかやま けん作 こぐま社
ホットケーキ作りは、幼い子どもと一緒に、はじめてのお料理をするのにぴったりですよね。材料をくるくるまぜて、焼くだけ。周りに甘い香りがただよい、なんとも言えない幸せな気分になれます。みんなで分けて食べれば、幸せもさらに広がりますね。
この絵本は、しろくまちゃんがお母さんと一緒にホットケーキ作りに挑戦する本です。できたホットケーキをお友達と分けて一緒に食べる場面は、子どもたちにとって、きっとうれしさが共感できることでしょう。
この絵本で我が子が大好きだった場面は、ホットケーキが焼ける様子を表す場面です。「ぽたあん どろどろ ぴちぴちぴち ぷつぷつ やけたかな まあだまだ」などと、ホットケーキが焼けていく様子が、リズムの良いすてきな言葉で順序よく表現されています。
息子の初めてのお料理は、ホットケーキでした。小さな息子は椅子の上に立ち、キッチン台に立てかけたこの絵本をめくりながら、しろくまちゃんと一緒に得意気に作っていきました。いよいよホットケーキのたねをフライパンに入れます。「ぽたあん」「ぷつぷつ」見開きいっぱいに表現されたページを見ながら、ホットケーキのたねの変化に合わせて親子で一緒に声を出していきます。息子は、「『ぽたあん』ってこんな感じなんだ。『ぷつぷつ』ってこんな感じなんだ」と体感していったことでしょう。
ホットケーキのたねが、まるで生きているようにフライパンの中で次々に変化していく様子を、ふんわりした的確な言葉で表現してあるこの絵本は、言葉と体験をつなぐのにぴったりな本だと感じます。
※「ことばと体験をつなぐと何かいいことがあるの?」と思われた方は、是非、本ブログ記事4/24~27も読んでいただけたらうれしいです。